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2020年11月04日17:14

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「罪の声」〜35年目の真相

35年前に日本中が震撼、未解決のまま時効を迎えた食品会社脅迫「ギンガ・萬堂事件」の真相。犯人グループ「くら馬天狗」とはいかなる組織なのか。塩田武士の小説を映画化、ここで描かれる事件の真相は原作者独自の見解ながら、過去いくつか語られた仮説を集約したかのような印象。監督は「いま、会いにゆきます」「ビリギャル」の土井裕泰。

自身の幼き声が脅迫テープに利用されたと知り驚愕する京都のテーラー跡継ぎ(星野源)、すでに時効となった事件を再びあぶりだすべく奔走する新聞記者(小栗旬)。闇に葬られた真実を探るべく、それぞれが独自に行動する過程を並行的に描く前半、ふたりが出会う場面がひとつのヤマとなって、ともに深い闇のなかへ踏み込んでいく後半。

何をおいても事件の証言者として登場する脇役たちに拍手。ひさびさに見るもなかなか名前が出てこない顔、関西を舞台とする作品には必須の顔、いつのまにかおトシを取られたなと思う顔…彼らの味わいある演技が、この事件のときはまだ生まれたばかり、そして関西出身ではない主役ふたりを下支え、物語に深みとリアリティーをあたえている。

原作を読んだときにも感じたけど、時間の前後関係と人間関係の把握にちょっとややこしさを感じるかも。ともあれもともと”劇場型犯罪”と言われた事件の映画化、素材そのものがダイナミズムに満ちているので、わざわざ奇をてらった演出をする必要もなし。あくまで正攻法なスタンスでこの事件を真正面からとらえた造りには潔さを感じました。

【付記:原作者の塩田武士、私と同じ大学の出身ということは知っていたけど、今回の設定が高級紳士服のテーラーだったり、終盤の舞台が英国のお気に入りの街だったり、なんだか近いところにいるひとだなあと勝手に思っていたら、同じく彼の小説を原作とした来年公開の映画の主人公の苗字が「速水」だと知ってさらにビックリした】
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