先日天に召された渡哲也さん、私が初めて彼を意識して見たのは、小学生のころのNHKドラマ「あまくちからくち」ということになるかも。花登筐原作、京都・伏見の造り酒屋を舞台に、性格も行動も真逆の男兄弟(渡哲也・渡瀬恒彦〜今回調べると双子の役だった!)とその周辺のひとびと〜関西喜劇人多数出演〜を描いた人情もの。
伝統ある造り酒屋の後継ぎである兄は責任感あふれる誠実な人柄、いっぽうサラリーマンの道を選んだ弟のほうは自由奔放なキャラだったような。弟の婚約者は美しくも気ままな現代女性(范文雀〜ナイスキャスティング!)。そして兄のほうの伴侶は酒屋をしっかり切り盛りする、いかにも良妻の鏡のような女性(十朱幸代)だった。
そう、今回主役であるべき渡哲也さんには申し訳ないけど、この十朱幸代が演じた控えめで健気な存在こそが、小学生高学年だった私にとっての理想の女性像だった。この刷り込みはしばらく続き、当然ながら十朱幸代は当時私のお気に入り女優、そしてその少しあとのロート製薬CMでの彼女もとても可愛く、憧れの気持ちを上書きした。
何事もテキトーな弟が披露宴会場を抑えてきた、京都の街が一望のスカイビューレストランだと婚約者に誇らしげに言うも、実際は屋上ビアガーデンのようなところ、雨が降ったらどうするのと彼女は弟をなじる。こんなどうでもいいシーンがいちばん印象的、思い出のドラマの記憶なんてそんなもの、渡哲也さんのご冥福をお祈りします。
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