カトリック教会の神父による少年たちへの性的虐待〜1980年代から90年代にかけて執拗に繰り返され、現在フランスで係争中の「プレナ神父事件」〜長らくトラウマを抱えていた男性たちが被害者の会を結成、告発にいたるまでの過程を描いていく。おそらく実話ものに挑むのは初めてだろう、監督はフランソワ・オゾン。
誰しもが数年前のオスカー作品「スポットライト 世紀のスクープ」を連想する題材、今回の作品はベルリン映画祭グランプリ、この問題がいかに世界的な病巣となっているかの証しと言えそうな。前者が優れたチームワークを誇る新聞記者たちの追及を描いたのに対し、こちらは主に成人となった3人の被害者に焦点を当てている。
ただし既存の群像劇によく見られるように、この3人を並行して描くのではなく、主人公が入れ替わるかのように、リレー形式にて三者三様のトラウマを描いていく構成が興味深い。それぞれの社会的立場やキリスト教に対するスタンスに差異があり、そのズレが物語の中心が被害者の会に移行する後半に味わいをもたらしている。
非常に抑制されたタッチが続き、この衝撃的事件を外堀からじわじわと追いつめている印象、そのぶん主要キャラが感情を爆発させたときのインパクトは強い。被害者の会ひとつ取っても、物事の進めかたや揉めたときの鎮めかた、先入観と言われればそれまでだけど、アメリカでも日本でもなく、やっぱりフランスだなあと思った次第です。
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