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2020年04月12日11:24

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☆洋ちゃんの読観聴 No. 1392

☆洋ちゃんの読観聴 No. 1392

カリン・スローター 「開かれた瞳孔」 
「ハンティング」

アメリカのサスペンス作家のカリン・スローターの
2作品を続けて読んだ。僕は彼女の作品を既に
2作品を読んでいるが、いずれも今回読んだもの
より後に書かれたものだ。

本国ではベストセラー作家なのだが、日本では
あまり知られてこなかった。しかし、ここ2〜3年
急速に日本でも人気が上がってきている。

僕も彼女の作品の魅力を読み違えていたと言えそうだ。
犯人がかなり後半にならないと登場しないし、
犯人を特定できるようなヒントもない。だから
ミステリーとして読むとがっかりするだろう。
スローターの作品は、主人公とその相棒や家族の
生き方や関係性を堪能するものなのだ。そして、
著者が創り上げたレギュラーの登場人物の個性を
楽しむべきものなのだ。

スローターの作品群は2つのシリーズがあり、
一つはサラ・リントンという小児科医・検死官、
もう一つはウィル・トレントというジョージア州
捜査局捜査官。「開かれた瞳孔」はサラのシリーズ
1作目(なお同シリーズは2作目以降は翻訳されて
いない)。「ハンティング」はウィルのシリーズの
3作目にしてサラも登場する。

ウィルのシリーズの主要登場人物はと言うと・・・。

主人公のウィル・トレント特別捜査官。その顔と首には
大きくえぐられた傷跡があり、壮絶な過去の体験がある。
また、ディスレクシア(読み書き障害)という障害の
持ち主でもある。容疑者に対しても優しく接するが、
捜査能力はきわめて高い。

彼のパートナー、フェイス・ミッチェルは15才という
若さで出産し、子育てと仕事の両立に苦労しつつ、30才
過ぎにしてようやくアトランタ市警の刑事というポジションを
得る。

ウィルの上司であるアマンダ・ワグナーは、才覚と多大な
努力の末に、ジョージア州捜査局の副局長という地位に
昇りつめる。ウィルを高く評価してはいるものの、彼への態度は
厳しい。

元警察官のアンジー・トレントは、幼少期にウィルと共に
養護施設にいた。二人にしか分からないつらい経験と感覚があり、
愛憎半ばするわかりにくい関係。ウィルの妻となるものの、
二人の関係はギクシャクしている。

サラ・リントンは、アトランタの救急病院の医師ながら検死官の
経験もある。警察署長だった夫を亡くしているほか、若い時に
悲惨な経験もしている。ウィル・シリーズの3作目から登場。

僕はシリーズの順番に関係なく作品を手に取ってしまったが、
これから読む人はやはり順番に読むことを薦める。登場人物の
関係が変化・発展していくからだ。

これまでスローターの作品は3社から刊行されてきたが、
たぶん今後はハーパーコリンズ・ジャパンに一本化されて
コンスタントに刊行されるものと思われる。

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