夏空、見上げれば眼が痛くなるほど青。どうにかして馴れようと眇めしている私、振り向くといきなり黄色い惑星。透明な水滴を幾粒も張り付かせ、宙に浮く未確認飛行物体。
私の耳に、「ほいっ」という声が届いた、映像よりだいぶラグって。
あの人の手から放られて、空にぽっかり浮かんでいる炭酸飲料、目に映るほど冷気を放っている。
あの人の顔、逆光で見えない。でも笑顔だ。
ラベルのレモン、空の青に対してこれでもかと輪郭を増し滞空している。
一瞬の出来事、だったはず。些細でありふれた夏の一コマに過ぎない。
でも私の記憶野に、トラウマlevelの強度で深く刻まれ、目を閉じればついさっきのことのように、いつでもフラッシュバックできる。
あの瞬間は永遠。少なくとも私が存在している限りは。
きっと誰もが、誰かの季節の中で、永遠にフォトグラフィーされている。
ログインしてコメントを確認・投稿する