ちまたの評判のわりにはどこか消化不良なままの感覚がずっと残っていて、これはやっぱりもう一度、そしてこんどは字幕版で観たほうがいいのかなと思っていたところに、期間・劇場限定で《特別編集版》字幕での公開ときた。こういう別ヴァージョン公開にはめったに手をつけないほうなんだけど、あまりのタイミングの良さに思わず乗ってしまったということ。
尺が11分長くなっているのは、夫ハンク(イーサン・ホーク)の出演部分が多くなっていると。たしかにオリジナルでは彼の存在感があまりにも乏しかった。なるほど“パリのアメリカ人”のエピソードをいくつか挟むことによって話にメリハリが出てきた印象。ただし作品全体の組み立てまで大きく変えるものにはあらず。あと逆にカットされた部分もいくつかあったような。
字幕版を観て気づいたこと。ハンクの存在によってセリフに仏語と英語が混じるのだけれど、主人公ファビエンヌをはじめパリ在住側の何人かがハンクにたいし英語で接していたなと。さらにそれは彼にとってマズい内容なのかどうか忘れたけど、頭越しにパリ側が仏語でやりとりする場面があり、このあたりの微妙な言語遣いのアヤみたいなものは吹替版では味わえなかった。
あと先入観かもしれないけど、吹き替えた宮本信子や宮崎あおいはやっぱり日本の女性、毒を吐いているようでもどこか奥ゆかしさを感じさせ、仏語のほうがずっとトゲのあるものに感じたり。一度目より深く味わえたのは家族関係よりもむしろ撮影所における人間模様だったかな。現地公開は来月のクリスマスとのこと、さてフランス人の反応やいかに。
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