<公式サイトの案内文より>
1848年、ラファエル前派同盟は英国美術の刷新をめざし結成されました。画壇から攻撃された彼らを擁護したのは、偉大な風景画家ターナーを支援する美術批評家ラスキンでした。その思想はロセッティやミレイ、バーン=ジョーンズ、モリスらメンバーの精神的支柱となり、多くの追随者に引き継がれてゆきます。本展では、ヴィクトリア朝美術に輝かしい軌跡を残し画家たちの功績と、彼らを照らしたラスキンの美学をご紹介します。
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ラスキンと言えば、大学1年の夏休み、英文学の教授にその美術評論の本(英語の原書)を研究室で借りたんだけど、パラパラめくってろくに読まずに終わったという苦い思い出が・・( ;∀;) ホントに学生時代、もっと勉強しておけばよかったですね。
ラファエル前派、というのはあまりなじみがないかもしれないが、わたしの友人が卒論にラファエル前派を取り上げたこともあって、展覧会があるとちょくちょく覗くようになった次第。
今回の展覧会、まずはラスキンがイチ押ししていたターナー作品で始まる。
イギリスの風景画家として、ビッグネームを誇る画家だ。
いわばラスキンは「ターナー押し」で、美術評論家として世に出る。
そしてラスキン自身が手掛けた風景画、建物の素描等の作品群が続く。
評論だけでなく、実際に描いた絵もなかなか。
美術評論家が絵のほうも巧みか、というと、たぶん描くほうはどうも・・という人のほうが多いと思うので、ラスキンの「理論と実践」は両立していたわけだ。
そして、イギリス美術界の保守性を批判し、ラファエロより前に回帰する芸術を訴えたミレイやロセッティは、逆に非難を浴びたものの、ラスキンは擁護。
さらに「ラファエル前派」グループからは、ウィリアム・モリスやバーン・ジョーンズが出てくる。
彼らについてよく語られる逸話だが、ロセッティはモリスの妻・ジェーンと不倫関係にあり、そのせいで苦悩したロセッティの妻・エリザベスは薬物中毒で死亡してしまう。
ロセッティの代表作はジェーンがモデルとなっており、ロセッティ作品のほかの女性像もジェーンと似た雰囲気でちょっと顔がきつめ。この手の女性がタイプだったのか・・
モリスの描く花鳥をベースにした装飾芸術は、わたしは昔から大好きなんだが、その裏にはこんなドロドロの人間模様があったワケです。
「印象派」とかと違って、日本ではイマイチ知名度がないからなのか、平日とはいえ、館内はかなりすいておりました。
(10月17日、あべのハルカス美術館)
画像はいずれもロセッティ作品。真ん中、右の絵画はジェーンがモデル。
※2014年春、東京で見たラフェエル前派展
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1922427821&owner_id=5348548
※2018年夏に見たウィリアム・モリスの展覧会
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1967495340&owner_id=5348548
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