先々週、夕刊に載っていた関西の美術展一覧を眺めていたら、ウィリアム・モリスの展覧会が!
モリスのあの植物文様って、大好きなのだ。しかし、この展覧会、もう終了間近。
3連休で混む前に行っておかねば、と先週の10日に見に出かけてきた。
「アサヒビール 大山崎山荘美術館」は、ニッカウヰスキー設立にもかかわった関西の財界人・加藤正太郎氏の山荘を、アサヒビール株式会社が京都府とも連携を取りながら修復し、安藤忠雄氏設計の新棟の美術館ともあわせて開館。
JR山崎駅で降り(ここは新快速は停まらないので、快速に乗車)、美術館が運行している、無料送迎バスを駅前で待つ。朝の9時台なのに、すでに相当な暑さである。待っている女性たちはみな、日傘を一斉に開く。
そうだ、京都の夏は日傘が必携だよな、と思いつつ、昔、会社の後輩にもらった日傘をバスに置き忘れて以来、日傘は使っていないのを思い出す。
こぶりのマイクロバスがやってくる。
東海道線の踏切を渡り、山あいの急坂を上ってゆく。
バスを降りると、そこが美術館の門の前。オープンの10時まで少し時間があり、ややあって門番のかたが鍵を開けて門が開かれた。
美術館の入り口までは梢の高いモミジの木が頭上をおおい、気持ちがいい山道だ。
紅葉のシーズンはさぞ色づいた葉が見事だろうな、と思う。
<公式サイトの紹介記事より>
「ウィリアム・モリス(1834−96)は、19世紀後半のイギリスで最も傑出した芸術家・思想家のひとりです。
産業革命により粗悪な大量生産製品があふれるなか、モリスは日々の労働が創造の喜びに包まれていた中世ギルド社会の再興をめざして、アーツ・アンド・クラフツ運動を先導しました。生活の芸術化を図るという構想のもと総合的な室内装飾を手がけ、理想的な書物制作のためケルムスコット・プレスを創設するなど、その活動は多岐にわたります。
モリスのデザインは多くの人に愛され、その創作の心は現代においても、色あせることなく息づいています。
本展では、壁紙、テキスタイル、椅子、出版物等主要なモリス作品と、同時代のデザイナーたちによる作品を合わせた56点を展覧し、美しいくらしを求めたモリスの生涯とそのデザインの歩みをご紹介します。」
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モリスのデザインって、植物の花や実や茎を、シンプルかつ優美に描き、こういうのをハイセンスというのだな、というお手本みたいなスタイルだ。
なぜこんなにモリスのアートに惹かれるのだろう、と考えながら、自分が昔から「忍冬唐草文様」が大好きだったのを思い出した。
忍冬唐草文様もギリシア起源で、日本では飛鳥・奈良時代に流行している。
正倉院展を見に行ってこのデザインの文物が出てくると、とっても心ひかれ、見入ってしまう。
植物がうねり、花弁が華麗に配置されたデザインがツボにハマるのって、DNAに刻印されてるんだろうか?(^^)。
展示室の2階からは、町が見渡せ、美しい眺めが広がっている。
館の庭には、モネの絵を再現したかのような蓮池が設えられ、安藤忠雄デフォルトのコンクリート打ちっぱなしの地下美術館では、常設展示の、そのものずばりのモネの睡蓮の絵画が、我々を待っていた。
無料送迎バスが停車する美術館入り口そばからは、さらに急な勾配になっていて、
「天王山登り口」の表示が。
そう、あの山崎の合戦で知られる「天王山」である。
おおっ、ここで秀吉と明智光秀が! と思わず登っていきたい気持にもなるが、この炎天下、この高温。熱中症で倒れかねないので断念。
また、機会があれば(そしてそのとき体力があればだが)、行ってみよう。
(7月10日)
※画像真ん中・大山崎山荘美術館の庭園
画像右・JR山崎駅。後方に見えるのが天王山
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