ベストセラー小説を映画化した2016年のドイツ作品「帰ってきたヒトラー」のイタリア版リメイク。第二次大戦の敗北から70年後、21世紀のローマに突然よみがえった独裁者。当初そっくり芸人と思われた彼は…。オリジナルの公開からさほど月日が経っていないのに、あっけらかんとベタなリメイク作品を作ってしまうあたりが、いかにもイタリア人というところ。
大まかな部分に関しては「帰ってきたヒトラー」の舞台を変えただけという印象、かっての米映画「サイドウエイ」日本版のように、おそらく「…ヒトラー」を楽しんだイタリア人が「さて、これをわが国に置き換えれば?」というシンプルな発想で作られた感。もちろん現代イタリアならではの味わいは随所に、セリフ回しやカメラワークなど基本的な部分はコメディタッチ。
すったもんだが続いたあげくの、気持ちが薄ら寒くなるエンディングが象徴するように、もちろん単なるドタバタコメディではなく、強権的なリーダーが次々と出現する現在の世界情勢への警告的意味合いがあるのはすぐ分かる。またどの先進国よりも政権がひんぱんに交代し、極右勢力が台頭しているイタリアの政治状況への警鐘も兼ねているのではと思ったりする。
それでもやっぱり聴衆を前にしての演説という大きな見せ場があるヒトラー、その強烈な個性の前にはちょっとかなわないなと。おそらくイタリア人にしかわからない小ネタがいくつも盛りこまれてあるのだろうし、イタリア現代史に長けてればもっと楽しめたのではと思ったりも。どちらにしても二番煎じ感からはやっぱり逃れられなかったなというのが正直な感想です。
ログインしてコメントを確認・投稿する