ブラッド・ピット主演・製作。16年前、太陽系の彼方で行方不明になった著名宇宙科学者の父親、そして彼のあとを追って飛行士の道を選んだ息子ロイ(ブラピ)。父親は生きているという情報がもたらされ、ロイは43億キロ離れた宇宙の果てへと旅立つ…。父親役にトミー・リー・ジョーンズ(長年のCMのせいで「この惑星では…」というセリフが出てくることを恐れてしまった)。
最近のSF作品の潮流、年に一度は封切られる"宇宙ひとりぼっち”もの。主人公のモノローグが物語を進め、バックには絶えることなく荘厳な調べ。飛行士は宇宙船内でほとんどセリフもなくジッとしたまま、なので表情の変化には演技力が必要。真っ暗な映画館で真っ暗な宇宙空間に対峙させられる我々は、静寂のなかいろいろな思いを巡らせてしまう…。
具体的な時代設定が示されず、スクリーンには単に"The Near Future"とだけ。この近未来感がなかなか興味深く、既存のいくつかのSF作品のようにまったく現実離れしたテクノロジーばかりが登場するのではなく、日常なじみのある先端技術のなかにほどよく混在する未知の環境、この微妙なさじ加減が物語に妙なリアリティをあたえているように思った。
有名宇宙科学者の息子、そして彼をとりまく船内の人間関係…一代で財を成した創業者の息子がその企業に入社、そこから生じる周囲との軋轢、みたいなものを連想してしまった。そう、まるで人物設定だけを先に組み立てておき、あとから宇宙という舞台を選んだかのような印象あり。爽快感やダイナミズムには欠けるけど、思索的な気分には十分浸れる品位ある一本です。
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