昨年の9月6日、82歳でこの世を去ったバート・レイノルズ最後の主演作品。彼が演じるのはかって一世を風靡した銀幕のスター、ヴィック・エドワーズ。L.A.でひとり暮らす老境の彼のもとに、ある映画祭から招待状が届く。過去には名だたる俳優が招待されたと聞き、彼は開催の地ナッシュビルに向かうが、それは映画オタクによる自主上映会レベルのものだった…。
このなんちゃって映画祭のアタフタした顛末だけでも映画好きは妙にワクワクしてくるが、やがて物語はヒロイン・リル(アリエル・ウィンター)を運転手としてお供にした、ヴィックの原点というべき地、ノックスビルを目指すロードムービーへと転じていく。老境の男とアバズレ女、まったく水と油のふたりながら、徐々にお互いの気持ちは近づいていく。
ヴィックの過去作品として、劇中にバート・レイノルズの名作がいくつか引用される。日本のCM等でまれに見る演出、現在の彼が過去の彼と劇中で会話を交わしたりするからレイノルズマニアはたまらない。そしてリルのたたずまいや映画オタクたち、作品全体に漂うどこか突き抜けない感じも、ある意味ハリウッドでの彼の立ち位置に通ずるものがあるのでは。
全編に流れるカントリーミュージックののどかな響きが、物語全体のユーモア感覚とゆったりした流れを支えている印象、映画愛にあふれたセルフパロディー作品はバート・レイノルズ映画人生の最後としてもふさわしく、過去と現在をうまくオーバーラップさせたラストシーンの見事な収束ぶりには予想以上の感動、今年のベストテンの有力候補となる一本だと思います。
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