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2019年07月26日16:45

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「よこがお」〜崩壊する日常、復讐する女性

2年前の傑作「淵に立つ」の監督・深田晃司と主演女優・筒井真理子がふたたびタッグ。不条理な現実に巻き込まれ、平穏な日常が崩壊する善良な市民。訪問看護師としての信頼厚い市子(筒井真理子)は訪問先である大石家の長女・基子(市川実日子)からも慕われていた。ある日、次女のサキが何者かに誘拐され、彼女は無事確保されるも犯人は意外な人物だった…。

市子を中心とした人間関係がいきなりバラまかれるので、それぞれを掴むまでにちょっと時間がかかる。観る側はケータイ等のささいな小道具によってそれらを把握することになり、ちょっとしたカットも見逃せない。…などとエラそうなことを言ってるが、はずかしながらこちらも観たあとに、あるキャラを見落としたうえに時系列も間違って理解していたとわかった次第。

いわゆる謎解きをせまるミステリーではないから、事件の捜査が進む段階でまったく警察の存在が見えないリアリティのなさ(もし迅速な捜査があったら、その後の波乱は生じずこの物語そのものが成立しない)には目をつぶったほうがいいし、ミステリーに必須である観たあとのスッキリ感からはもっともほど遠い着地をする(というか、あれを着地と言っていいのかどうか)。

動物園・横断歩道・ひまわりの花・押し入れ…多くのアイテムがこちらの深読みを誘うように何かの比喩表現として存在する。平穏な日常が崩壊していく哀しさを筒井真理子は好演、とりわけ憐れみさえ感じさせながら復讐に燃える終盤の展開には鬼気迫るものあり。今作は「淵に立つ」とならぶ彼女の代表作、そしてことしを代表する邦画の一本となるような気がします。

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