ブルックリンでレコード店を経営する元ミュージシャンのフランクにとって、医学を学ぶ実娘サムとの作曲活動は数少ない楽しみのひとつ。ある日Spotifyに登録した自作曲が急に拡散され…。フランク役に「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」でマクドナルド兄弟のどちらかを演じたニック・オファーマン。あとトニ・コレットがあいかわらず素敵なお姐さんっぷり。
インディーズがテーマだからということではないだろうけど、スタジオ内セットですべてが完結するTVドラマというかホームコメディのような感触、全体的に手づくり感の強い作品。過去にさかのぼったり、伏線を張ったり、もっといろいろ肉付けできると思うのだけど、父娘の作曲過程だけを前面に押し出し、起伏のあまりないあっさりとした物語だった。
レコード店そして作曲活動、この舞台設定であればおそらく誰もが音楽的小ネタ、たとえば父娘の嗜好の世代間格差や、マニアックな引用を繰り返すセリフのやりとり、そして劇中で流れる既成曲のこだわりに期待すると思うけど、そういった要素はほとんど希薄、唯一実在するバンドのネタがセリフとなるも、これがいかにもインディーズっぽかったので苦笑してしまった。
劇中で娘サム(歌唱力バツグン)が歌うオリジナル4曲のほかは、約20曲のクレジットほとんど知らないバンドやミュージシャンばかり、すべてインディーズ楽曲だろうか。地道な音楽活動が題材ということで現在公開中の邦画「さよならくちびる」との比較も楽しめないこともないけれど、やはりここは楽曲制作を通した父娘の愛、この1点に尽きる作品だと思いました。
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