ニューヨーク州郊外の静かな街、「ファースト・リフォームド」(〜この作品の原題)という名の教会で牧師を務めるトラー(イーサン・ホーク) は、さまざまな問題に板ばさみとなり、自身の立場や信仰のありかたに疑いを持ち始め…。監督・脚本はポール・シュレイダー。構想50年の末に完成させたとのこと、現代が抱える問題をいくつも織り込んだ社会派作品的要素もあり。
ミサにやってきたメアリー(アマンダ・セイフライド〜いつもは陽気な彼女も今回は終始憂うつ模様)から相談を受けたトラー、環境活動家の夫マイケルを説得にあたるも、こんどは自らの教会が、環境破壊の原因となっている企業から巨額の支援を受けていると知る…。信仰あるいは宗教のありかたをベースに、環境問題や家族のつながりなどを巧みに絡めていく。
主人公のメンタリティさらに街のたたずまい、とにかく物語全体が静寂で覆われた印象。そこまでの匂いからするとちょっと異質と思われるシーンで効果音が流れる程度、ほとんど音楽なし。ただ教会を舞台にしている話だけに賛美歌だけはしっかりと。ある場面では聖歌隊が(ストーリー的には納得いくものだけど)意外なひとの歌をハモったのでビックリした。
アカデミー脚本賞にノミネートされたこの作品、前宣伝にやたらと“「タクシードライバー」脚本の”と謳っていた意味は十分すぎるくらいよくわかった。ラストシーン近くでトラーが見せる狂気はまさにあのトラヴィスを思わせるもの。スクリーンがブラウン管テレビと同じ縦横比率、左右にはみ出た部分を観る側に想像させるアングルもきっちり用意されていました。
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