イギリス中西部ヨークシャー地方を舞台にした青年同士の愛の物語。共同で牧場を管理する父親が病に倒れ、孤独で欝々とした日々をすごしていたジョニーは、ルーマニアから短期労働でやってきたという若い男ゲオルゲを雇う。最初のうちはソリが合わず、何かと諍いを起こすふたりだが、やがてそのあいだには愛し合う気持ちがめばえ…。監督はフランシス・リー。
タイトル通り“神の恵みの地”といわれるヨークシャー地方、その言葉に反してここで描かれる風景は荒涼とした大地をつねに厚い雲がおおう、誰しも気持ちが滅入るような場所。私自身ロンドンと同じくらい愛着のあるエリアだけど、さすがにここまで荒んでなかったような記憶が。ロケ地のキースリーは、いつも滞在していた街からそう遠く離れてはいないんだけど。
セリフだけでなくあらゆる音が極力抑えられ、彼らの孤独感と寂寞なこの地のイメージが増長する。お互いの愛し合う気持ちを、ふとしたしぐさや目つき、あるいはちょっとした小道具だけでうまく表現している。大自然のなかでの男性同士の愛といえば「ブロークバック・マウンテン」を思いだすが、こちらは女性がいっさいからまないので、よりピュアな愛に思えてくる。
作品全体が静謐だった分、ラストシーンからエンドロールに流れる曲がとても味わい深く印象的(そこで流れる映像は作り手の強い主張かも)。最後をシメるにはある意味ふさわしい英国出身の若手(かな?)シンガーソングライターの楽曲。今回の主演男優ふたり(ジョシュ・オコーナー&アレック・セカレアヌ)同様、これからの彼にも注目したいところです。
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