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2018年12月01日12:13

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☆洋ちゃんの読観聴 No. 1308

☆洋ちゃんの読観聴 No. 1308                

レイフ・GW・ペーション 「許されざる者」         

スウェーデン・ミステリーの警察小説。退役した警察官が
迷宮入りした事件を追う話は珍しくもないが、本作品も
その種のものだ。

国家犯罪捜査局の局長だったヨハンソン(67歳)は、今は
妻とともに悠々自適の生活をおくっていた。だが、突然
脳梗塞で倒れ病院に運ばれることに。日頃の飽食や
運動不足がたたったようだ。

彼の治療にあたる40代の女性の主治医から妙な相談を
受ける。彼女の父親(故人)は牧師だったが、25年前に
起きた9歳少女の暴行・殺害事件の犯人が誰かについて
信者から懺悔で聞いていたというのだ。だが、事件は
既に時効が成立している。

治療を受けリハビリを行いながらヨハンソンは、かつての
同僚や現役の警察関係者、義理の弟らの協力を得ながら
事件の真相に迫っていく。

もしヨハンソンが現役時代に担当していたら、おそらく
犯人逮捕にこぎつけたと思われるが、当時は別の重大
事件があったり有能でない警察官が担当だったりして、
未解決となっていた。

捜査は早くはないが着実に一歩一歩と進む。特に
著者は、不自然なことや無理な偶然を設定しておらず、
サプライズもない。その点は好感を持てる。

本書のもう一つの読みどころは主人公の周りの人たち。
妻や家政婦、臨時の助手、さらに元同僚や主治医など、
頭の回転がよくユーモアがある。そして彼らは、頑固で
とっつきにくい主人公を愛し尊敬している。ここが
すがすがしい。

最後は少しばかりほろ苦いが、気持ちのよい小説だ。




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