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2018年10月02日21:33

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愛に生きる美学 ( 映画『散り椿』)

時代劇マニア、というわけでは決してないのだけど、「本格時代劇」の映画が公開されると、やっぱり期待せずにはいられないのです。

この映画もまた待望の公開。

なにしろ監督が『剱岳、点の記』の木村大作!
原作が去年亡くなられた時代小説の名手、葉室麟で、共同脚本をされたのが木村さんと同じ黒澤明組のひとりである小泉堯史。そして主演が岡田准一と、まさに王道な陣容。

〈 あらすじ 〉
享保15年。藩の不正を訴え出たために藩を追われた瓜生新兵衛(岡田准一)、追放後も連れ添い続け、病に倒れた妻・篠(麻生久美子)は、死の床で最期の願いを新兵衛に託す。それは、新兵衛のかつての友にしてライバルであり、藩追放に関しても大きな因縁を持つ人物・榊原采女(西島秀俊)を助けてほしいというものだった。妻の願いをかなえるため故郷へ戻った新兵衛は、やがてある確証を得て采女と対峙する。過去の不正事件の真相や妻の本当の思いを知る新兵衛だったが、その裏では大きな力が彼を襲おうとしていた。

木村さんは、もともと黒澤組の撮影監督をされていた方。『剱岳〜』での雄大なカメラワークが忘れ難かっただけに、今回はどんなものを魅せてくれるのかと思いきや、それほど大仰だったり美麗な映像がふんだんにあるわけでもなく、あくまで主役は人です。と静かに出張しているような「落ち着き」に徹しているような感。
でも、そのどっしりとした絵もまたベテランの風格を感じさせてはくれる。

そしてなによりも、本作はほぼ全編オールロケ!場所をかなり選び抜いている入念さがありありだ。そのかいあって、どこも素晴らしい景観
この映画、『剱岳〜』『春を背負って』の縁なのか、富山県が全面協力らしい。どうりで立山や剱岳と思しき雪山が合成じゃないかと思うくらい、見事なコントラストを見せてくれたわけだ。

ただ困ったのは、原作自体がそうなのだろう、前半は人間関係が複雑で、かなりわかりづらいのが難。まあ、『水戸黄門』じゃないのだし(笑) 長きに渡る藩内疑獄がストーリーに関わっているだけに、これは、とにかくじっくり観てください。ということなのだろうけど。

岡田准一の男振りは言わずもがな。ますます磨きがかかっていて、後半に西島秀俊と繰り広げる殺陣は見事の一言。
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愛に生きるサムライという人間像も今までの時代劇に無い味わい。だけどそれも、見ようによってはメロドラマ調でユルく(甘く)感じてしまう、のかも?

しかし、近所のシネコンで観てみれば、サービスデイにもかかわらずガラガラ・・・(夜の6時代ですぜ)
大丈夫か、時代劇?頑張れ時代劇。

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【予告編】https://youtu.be/3Joo5dC6Tp0

先週の金曜日(公開当日)にNHKラジオ「すっぴん!」のゲストに来られた木村監督。
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撮影と監督両方担当されるのは「プロ野球の選手兼任監督みたいなくらい大変。」だそうです。
あの殺陣も監督のアイデア。凄い!


ひらパー兄さんも大変そうだ(笑)
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