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2018年09月29日16:00

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「散り椿」〜日本の様式美を堪能

昨年末、天に召された葉室麟の同名小説を映画化。主人公・新兵衛に岡田准一、監督は木村大作。日本映画にその名を刻んできたカメラマンによる監督作品という先入観があるだけに、どうしても映像美に興味がいく。というか、こちらふだん洋の東西を問わず時代物を観ることがあまり多くないので、スクリーンから届く日本の美を楽しみの糸口にしようと思った。

そしてそれは想像以上に美しかった。あまりコントラストの強くない古き時代の日本が生み出す色彩。スタジオ撮影ではなく全編ロケ、抜けるような青空のもとよりも、しんしんと降りしきる雪世界やどんよりとした曇り空のほうが微妙な陰影を深く味わえる。古びた日本家屋の薄暗い部屋に、縁側から差しこんでくるほのかな陽の光、たとえようもなく美しい。

そして何度となく登場する殺陣のシーン。あまり細かいことをツッコむべからず、お約束ごとと言ってしまえばそれまでの、日本の時代物に許された様式美。咲き誇る椿の花を背景にして刀を構える、このうえなく緊張感あふれるシーン、降りしきる雨のなかでの立ち回りでは雨粒に血しぶきが混ざっていくようすをじっくりとらえたり、とにかく美しさ優先主義と言った印象。

各俳優が江戸期の日本人像を好演するなか、主人公の義弟役・池松壮亮だけがちょっと浮いていたような。ズラすがたに違和感、セリフ読みもちょっとぎこちなかったか。彼の映画俳優としてのスタートは世界的に有名なハリウッド製サムライ・ムービーだったんだけど…。まあこれはイマドキの若者を好演しているふだんの彼に見慣れてしまったせいかもな。


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