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2018年09月07日16:20

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「泣き虫しょったんの奇跡」〜人生に向き合う静かな対局

年齢制限の壁にぶつかり、一度はプロ棋士への道をあきらめながら35歳にしてリベンジを果たした男の物語。実在する棋士・瀬川晶司五段を演じるのは松田龍平。あまり感情を表に出すことなく、周囲にたいして常にひょうひょうとしたスタンスを保つキャラがここでは最大限に発揮。まあ実際の瀬川氏はもうちょっと愛想のいいひとだったような記憶があるんだけど。

棋士同士の生ぐさい対立模様もなく、対局場面においてもそれほど局面展開に深く踏みこんで行くわけでもない。このところ毎年のように将棋の世界を舞台にした映画に出会っているけれど、そのなかではもっとも静かで淡々とした空気が流れている作品とでもいえばいいだろうか。そう、将棋の駒が盤面を打つピシッという音だけがやたらと鋭く響いていたような。

スポーツ一般にくらべて、加齢があまり影響しない競技にもかかわらず、プロへの道に年齢制限を設けていたという棋界の古い体質に風穴を開けた瀬川五段の功績、大きな壁を突き抜けていく過程をもっと掘り下げてほしかった気もするけど、まだわずか十数年前の実話、当時の対抗勢力もまだ棋界に残存しているだろうし、なにかと差し障りありということなのだろう。

父親(國村隼)を筆頭に、主人公しょったんの周囲があまりにも彼に好意的というか、理解がありすぎるひとたちばかりという点もちょっと気になったけど、原作となった瀬川氏ご本人の同タイトル著書が高校生対象の読書感想文コンクール課題図書に選ばれているくらいだからむべなるかな。極度に敵対する存在はまったくなし、いい人ばかりが目につく作品でありました。





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