mixiユーザー(id:11487068)

2018年09月01日17:47

89 view

☆洋ちゃんの読観聴 No. 1292

☆洋ちゃんの読観聴 No. 1292

堀越豊裕 「日航機123便墜落 最後の証言」  

毎年お盆になるとTVのニュースで描き出される
御巣鷹山での犠牲者の追悼式。あのJAL機
墜落事故から早や33年経った。

本書は関係者の証言をつづったドキュメンタリー。
著者は共同通信社の記者である。

事故から30年以上たち、なぜ今なのか?という
疑問を感じる。どうやら新たな事実、特に事故原因が
別にあったという話でもなさそうだ。

著者によれば、30年たったからこそ真相について
語りやすくなる関係者がいるのではないか、とのこと
だ。そして既にかなりの関係者は他界しており、
残された関係者も高齢であり、今がラストチャンスと
いう判断もあったのだろう。

米国運輸安全委員会(NTSB)、事故機の製造メーカー
であるボーイング社、日本の事故調査委員会などの
関係者に直接インタビューし、事実関係を確認した。

事故から今日までの間、この事故について書かれた
本は少なくなく、その中には自衛隊や米軍機の
撃墜・誤射説やテロ説もあったが、これらについても
調べ、ありえないと結論づけている。

米国における他の航空機事故の関係者や、
日本航空の関係者、当時報道にあたったメディアの
人たちなど、取材先は多岐にわたっている。

僕が一番興味深く読んだ箇所は、事故に関わった
関係者の扱いで日米で大きな差があること。
修理ミスについて、アメリカでは悪意による意図的な
ものでない限りそれを行った人間は裁かれないのに
対し、日本では業務上過失致死罪に問われる。
本人の意図と関係なく結果が問われる。

これのどちらが良いのか著者は結論を出していない。
だが、修理ミスについてはやや同情的である。
人間は仕事をおこなうにあたって常に緊張感を
もってしているわけではないからだ。むしろミスを
チェックする体制を整備すべきと著者は言う。

事故を二度とおかしてはならないことは言うまでも
ない。メーカーも運航する航空会社も33年前と
比べれば安全について格段に進歩しているだろう。
だが、あのような事故は今後起こらないと断言は
できない。また、事故発生後の救援における警察や
自衛隊の連携体制など、必ずしも進んでいない分野も
あるようだ。

0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2018年09月>
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      

最近の日記