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2018年08月26日09:50

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☆洋ちゃんの読観聴 No. 1291

☆洋ちゃんの読観聴 No. 1291

アーナルデュル・インドリダソン 「湖の男」       

アイスランドの警察小説、シリーズ第4弾。 
先日、3作目を紹介したばかりだ。

原作は既に15作出ているらしいが、邦訳では
これが4作目。日本に紹介されたのが遅いため、
順番に翻訳されているとしても、本作品の原作は
2004年の出版だ。

事件の発端というか殺人被害者が発見されるのが
リアルタイムだと考えると、この作品の時代は今
世紀初頭ということになる。

いつというこはどうでもいいことのように思える
かもしれないが、本作品の場合これが今(2018年)
だったら、ちょっと成立しにくいと考えられる。

まわりくどい言い方になってしまったが、この小説は、
今と50年近く前の東ドイツでの出来事とが交互に
著されている。

まだ東西ドイツが分断されていた時代、多くの
欧州の国々の若者は社会主義にあこがれていた。
アイスランドからも留学生が東ドイツに行き勉学に
はげんだ。だが東ドイツの体制は言論統制が厳しく
体制批判者に政権は弾圧していた。外国から来た
留学生も監察の対象だった。

人里離れた湖で死体が発見される。相当古いもの
らしい。レイキャビック警察の捜査チームは、この
被害者が誰かを追う。やがて冷戦時代に起こった
事件ということが分かってくる。

このシリーズの面白さは、事件捜査と平行して
捜査チームの私生活だ。主人公の捜査官は離婚
しているが、最近再会した娘に加え息子とも久しぶりに
会う。捜査官に批判的な娘と比べると息子は少し
スタンスが違うようだ。

さらに、捜査官には恋人ができそうだ。ただし、彼女は
人妻であり、夫との離婚をまだ決めかねている。

数多い北欧ミステリーの中でも傑出したシリーズの
ひとつ。まだ10作以上も未訳で、今後が楽しみだ。

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