10年前の前作は観ていない。なぜなら周りの人間がそろって酷評していたから。青い海に青い空、ギリシャのどこかとかは知らないけれど、まずその時点で銀河系のはるかかなたと変わらない非日常な空間、性善説に基づいたハッピーなミュージカルなんだから何が起きようとすべてOK、まああんまり堅いことを言うのも…。いちおう劇団四季の舞台は観ましたが。
ホテル開業に勤しむソフィ(アマンダ・セイフライド〜カジュアルなエマ・ストーン?)、そしてその母ドナの40年前の奔放な日々が交互に描かれる。このメリハリがちょっと乏しく、たとえばソフィのほうにもうちょっと力点を加えていたら、この作品最大のハイライトというべき「ダンシング・クイーン」のシーンがよりシミジミと感じられるのに、なんて思ったりも。
脇を固めるベテラン俳優陣の芸達者ぶりにまずは敬服。コリン・ファース、ピアース・ブロスナン、アンディ・ガルシア、ジュリー・ウォルターズ…。ミュージカル映画への出演そして数々のアバ楽曲(字幕のおかげで初めて歌詞内容がわかった曲多し)をマジに歌うことを心の底から楽しんでいる雰囲気、観ているこちらも本当に気分が良く応援したくなってくる。
そしてなんと言ってもシェール。彼女がアバの曲を歌うなんて40年前には想像もつかなかったし、ある意味怪演に近いかもしれないけど、すべてをさらっていくかような堂々の存在感。彼女の迫力の前には満を持して登場したはずのメリル・ストリープも形無し、もっとも亡くなったはずの彼女がどういう形で姿を現わすのか、これはこれで見どころのひとつなんだけど。
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