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2018年08月08日15:40

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天空のフランス人

高野山がヨーロッパ人観光客、とりわけフランスのひとたちからとても愛されていることは、以前からけっこうよく聞かされていた。昨年10月の台風の影響で一部区間が運休、代行バスを走らせている旨の高野線各駅構内のアナウンスも、日本語・英語に続くのはフランス語、けっして中国語・韓国語ではなかった。つまり高野山における第2外国語はフランス語ということだ。

案の定、きのう乗車した「こうや号」車内はなんと8割がた外国人、そしてそのほとんどが白人の個人観光客だった(もちろんフランス人とは限らないが)。それはまるでかってパリ=ロンドン間でよく利用したユーロスターの車内、そして列車が高野の山並みを登って行くあたりでは、クソ高いチケットを買わされてユングフラウまでたどり着いたスイスの登山鉄道を思い出させた。

ところが高野の町に着き、奥の院あたりまで行くと外国人観光客のすがたはほとんど見なくなる。周辺のベタな大衆食堂もふくめ、観光バスでやってきてお墓参りに勤しむ年配の日本人団体のすがたは昭和の時代から少しも変わっていない。まあ言いかえれば線香クサいエリアとでも言うか。それにしてもあの多くの白人観光客はいったいどこへ行ってしまったんだろう。

するとおそらくこの町唯一のコンビニ、ファミリーマートの前にあるいくつかのオープンテーブルが、20人以上ものフランス人によってすべて占領されているのに気がついた。いかにも昭和な大衆食堂のベタなメニューに距離を感じた彼らは、コンビニでパスタやサンドイッチなど好きなものだけを取り、さしずめみんなそろってランチパーティーと相成ったというわけだ。

おそらく今夜は宿坊にて日本人ですらやっかいな精進料理が待っているわけだし、いまのうちになじみあるものを口にしておけってことか…どこかで見たぞこの光景、そうかこれってかってパリ・オペラ座界隈のラーメン屋軒先で群れをなしていた日本人観光客のまったく裏返し、30年越しの倍返しかと、楽しそうにポテトチップをつまむ彼らを見てしみじみしたのでした。



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