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2018年03月11日18:07

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ナチュラル・ウーマン

 「この街から出て行け! オカマ! 変態! バケモノ!」

 この物語のヒロイン、マリーナに投げつけられる醜い罵言。
 彼女はただ、急死してしまった恋人を静かに見送ってあげたいと願っていただけなのに。

 チリのサンチアゴを舞台に、一人のトランスジェンダーの彷徨を描いた「ナチュラル・ウーマン」。秀作でした。

 観賞後、カミさんと感想を語り合ってて「なぜマリーナは亡くなった恋人の家族にあんなに憎まれ、暴力まで振るわれなければならなかったのか?」という疑問が湧いてきました。
 すると彼女は、こう言いました。

 「怒りとか憎しみの気持ちって、普通は持続しないよね。それはたぶん、怒りつづけていると脳が疲弊しちゃうから。それくらい、憎悪のエネルギーって人間を消耗させる。
 なのに、あの連中は自分が理解できない人や気に入らない人を憎み続け、嫌い続けられる。それはきっと『楽しい』から。相手を攻撃することで快楽を得られるシステムが頭の中で出来上がってる。
 ああいうのはアルコール依存症やギャンブル依存症と同じだよね。『憎悪依存症』かな。もう、完全に病気だと思うよ。学校でのいじめや職場でのパワハラなんかも同根なんじゃないかな。
 困ったことに、ああいう病気って、完治しないんだよね。まず間違いなく、死ぬまであのまんま」

 にわかには同意し難い部分もある意見ですが、確かに・・・とも思ってしまいました。

 ともあれ、「ナチュラル・ウーマン」は自分の中にもあるかも知れない偏見や狭量さについて考える機会を与えてくれる作品でありました。
 多くの方々に、一見をお勧めする次第。
 
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