★洋ちゃんの読観聴 No. 1257
美術展 「プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光」
「これは事件です!」という及川光博の宣伝文句は
誇張が強すぎるのではと思ったけれど、ベラスケスの
作品が7つも一挙に公開というのは空前絶後ではある。
「メニッポス」は哲学者を描いたものだが、すぐ横に
展示されているルーベンス工房の「ヘラクレイトス」と
見比べると面白い。「マルス」も素晴らしい。通常
マルスは鎧を着けた状態で描かれることが多いが、
ここではベッドに座り裸だ。戦に疲れた様子。
「狩猟服姿のフェリペ4世」も傑作だ。フェリペ4世は
愚王だったとの記録もあるが、この絵を見る限り
聡明そうに僕には見える。
ベラスケス以外も傑作が揃っていた。ティツィアーノが
1点「音楽にくつろぐヴィーナス」。ルーベンスの
「聖アンナのいる聖家族」とムリーリョの「小鳥のいる
聖家族」は珍しく養父ヨセフの存在感がある。(後で
調べたら17世紀スペインではヨセフ信仰が高まった
とのこと。)特にムリーリョ作品のヨセフが若々しくて
新鮮。
ヴァン・ダイク作品も数点あったほか、クロード・
ロランの風景画も1点だけだが見ごたえがある。
カラヴァッジョに影響を受けたリベーラや
ジェンティレスキも傑作。
というわけで約60点の作品を楽しむことができた。
上野の国立西洋美術館にて開催中(5月27日まで)
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