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2018年03月01日17:30

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「シェイプ・オブ・ウォーター」〜“大人の童話”に納得

米政府の研究所で清掃係として働くイライザ(サリー・ホーキンス)は生まれつき発話が困難という障害を抱えている。極秘裏に研究所に運ばれた奇妙な生きものに心を奪われた彼女は、やがてその半魚人のような彼と気持ちをかわすようになる。研究の犠牲に彼がさらされることを知ったイライザは、周囲の協力を得て彼を“水がカタチづくる”ところへ返すべく…。

“大人の童話”という前評判通り、一見ファンタジーの骨組みながら単純な異生物とのロマンスに終わっていない(R15+指定、こどもには見せられない場面もいくつか)。舞台は1962年、冷戦下にある世界情勢、マイノリティにたいする視線、ドリーミングなポップ・カルチャー、まだ黎明期の科学技術研究…この時代でないと成立しない物語だと、観る側は時間とともに感じてくる。

モンスター&科学研究所 in 60'sというだけでかっての東宝怪獣映画の匂いも漂う。なにもサリー・ホーキンスが直近の米製「ゴジラ」で渡辺謙の助手役だったからというわけではない。ついでに言えばイライザの同僚ゼルダ役には「ドリーム」のオクタビア・スペンサー、“60年代に科学技術の先端部分で働く黒人女性”というたまたまだろうけどニクいキャスティングだ。

なんとなく結末はわかっているんだけども、それでも豊かな色彩や音楽にぐいぐいと引きつけられ、いつのまにかたどりついたエンディングに震えてしまった…それが一番の印象かも。タイトル通り、ごくごく小さな一滴の水から勢いよくあふれ出る鉄砲水まで、さまざまな“水のカタチ”もまた主人公。ちょっとした水滴に思わず泣きそうになる場面もありました。
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