☆洋ちゃんの読観聴 No. 1243
陳浩基 「13・67」
いやはや凄いミステリーができあがったものだ。
海外ミステリーと言えば米・英・仏それに近年
めざましい北欧といったところなのだが、本書は
香港人による秀作だ。
1967年から2013年まで(だからタイトルが13・67
なわけだが)の香港の移り変わりを背景に
辣腕の刑事が活躍する。
6編の中篇が収められているが、それぞれが
見事なトリックを見せる本格ものだ。
それに加えて社会派の要素もあり、読み応え
十分。
構成は第1話が2013年で、第2話が2003年・・・
後へ行くほど昔の話になってくる。そして主人公の
クワン捜査官の名探偵ぶりと警察組織と香港社会の
変容が描き出される。
これから読む人のためにストーリーの紹介は
避けたい。
だが、本書は10年に1度というと大げさだが、
5年に1度級の大傑作であることは間違いない。
1作だけでも1冊として売れる本だと思うが、
6作で2,000円を切るのはホントお徳だ。
すごい、すごい!
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