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2017年12月05日09:25

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☆洋ちゃんの読観聴 No. 1240

☆洋ちゃんの読観聴 No. 1240

カミラ・レックバリ 「エリカ&パトリック事件簿 獣使い」 

作家のエリカと警察の刑事であるパトリックの夫婦が
事件を捜査するシリーズも本作で9作目。舞台は
スウェーデンの南西部にある小さな町だ。

4ヶ月前に失踪した少女が森から突然現われ、
運悪く通りがかった車に轢かれ、亡くなってしまう。
この少女の身体をチェックすると、さまざまな虐待を
受けていたことが分かった。

事件の捜査に乗り出したパトリックらは、この少女
以外にも4人もの同世代の少女が行方不明になって
いることを知る。

一方エリカは自分の著作のため夫殺しで刑務所に収監
されているライラという女性に取材を試みる。何度か
面会をしているが彼女はなかなか事件について話さない。

ライラは若いときサーカスの団員と知り合い結婚し、
男の子と女の子の子どもを持つ。そして夫との関係が
うまくいかず彼を殺害してしまう。女の子は引き取られ
男の子は行方不明に。

この連続少女失踪事件と過去のライラの物語が
交互に出てくる。この2つの話はどこかでつながる
のだろうか?

このシリーズが内外で人気を得ているのは、警察官で
あるパトリックと作家のエリカが別々の行動を取りながら
事件の本質に迫っていくことが一つ。もう一つが家族の
問題を取り上げていることだろう。

パトリックとエリカの家族、エリカの妹アンナの家族、
警察署長メルバリの家族、他にもパトリックの同僚らの
家族関係も紹介される。もちろん事件の被害者、加害者
にも家族がいる。そして、それぞれの家族が大小は
別として問題を抱えている。幸福の中にも困ったことが
あったり不幸の中にもちょっとした喜びがあったり・・・。

文庫本で550ページを超える長編だが、無駄な部分は
ほとんどない。先を急ぐことなく、ゆっくりじっくり楽しみ
たい、そんな作品だ。

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