★洋ちゃんの読観聴　No. 1236

★洋ちゃんの読観聴　No. 1236　　　　　　　　　　　　　　　　

CD　グレゴリー・ポーター　「ナット・キング・コール＆ミー」　

久しぶりに渋谷のタワーレコードに行った。お目当ては
ビル・エヴァンスの未発表録音「Another Time」である。
これは彼のモントリュ―・ジャズ・フェスティバル出演
（シャトー・ド・シオンの表紙で有名なレコード）の直後に
同じメンバーで録音されたもの。

エヴァンスは彼の経歴でいくつかのピークがあるが、
このときもその一つ。なのでできは悪くない。だが、
ジャック・デジョネットのドラムが、人によってはエヴァンスを
鼓舞していると言うのだが、僕には饒舌すぎるように
思えた。

試聴しながら購入をためらっていたら、隣のテーブルに
あるCDが目についた。グレゴリー・ポーター？　
知らないなあ。でもグラミー賞ジャズ・ヴォーカル部門
２度も受賞とある。

しかも、ナット・キング・コールのトリビュートとのこと。
僕はコールの大ファンなので、このヒゲモジャ顔の
肥り気味の黒人歌手の作品を試聴してみた。

最初はコールの大ヒット曲「モナリザ」だ。完全に
ノックアウトを食らった。素晴らしい！　その後が、
チャップリン作曲の「スマイル」、そして「ネイチャー・
ボーイ」。

「ラヴ」などテンポのよい曲も少しあるが、ほとんどが
バラード。全１５曲（日本版は１６曲）のうち１３曲が
コールのレパートリーだ。

ポーターはコールより骨太の感じで、渋いバリトンだ。
高音はコールとかなり違うが、中音は声質が似ている
と思った。

「ザ・ロンリー・ワン」「ザ・クリスマス・ソング」など
僕の好きな曲が収録されていて大満足。

ジャズにあまりなじめない人でも、イージー・
リスニングとして楽しめる。