第2次世界大戦中の英国・ロンドンが舞台。女性新人脚本家を中心に、映画製作に情熱をかたむけるひとびとの物語。ヒロインのカトリン役は「007 慰めの報酬」でボンドガールだったジェマ・アータートン。最初のほうでは“いい子ちゃん”がちょっと鼻についたりもしたけれど、物語が進むにつれて、実に力強くそして親しみやすい存在として映ってくるから不思議。
戦意高揚映画として、物語のなかで作られていく作品というのがなんと〈ダンケルクの戦い〉を題材にしたもの。つい先日もこの史実をとりあげた映画作品を観たばかり、やっぱりこの戦時下のおける感動実話というのは、長らく深く欧州のひとびとのあいだに浸透していて、観ている側に新たな解釈やつっこみどころを用意しているのだなあと思った次第。
けっして大笑いはしないけれど、“クスッ”という程度の、つまり英国特有の抑制されたユーモアが全編に。やっぱり名脇役ビル・ナイの存在が大きく、気難しいベテラン男優の役柄はほとんど地のままふるまっているよう、セリフのひとつひとつがおかしくてしかたない。彼とエディ・サーマンが対峙しているシーンに出くわすと「ああ、英国映画を観てるんやなあ」としみじみしてしまう。
戦時下におけるプロパガンダ映画の製作過程や、女性の社会進出の模様がありありと。そして“映画内映画”の定番というべきクライマックス・シーン、わかっていても感動が待っている。それにしてもこの時代の英国を舞台にした作品を観ると、こちらのヒアリング能力が急に向上したかのような錯覚に陥ってしまう。それだけキチンとした英語を話していた時代だということでしょう。
ログインしてコメントを確認・投稿する