監督・脚本ジム・ジャームッシュ。イギー・ポップひきいる伝説のバンド、ザ・ストゥージズの軌跡を追ったドキュメンタリー。インタビューを中心に過去映像を織りまぜていく王道パターン、ただし今回の取材対象はイギーとバンドメンバー、その家族程度。よくありがちなビッグネームや音楽業界のドン出演いっさいなし。これはより真実に迫ろうというジムの思いだろうか。
60年代からごく最近のものまでライブ映像多数。ステージで上半身裸になって暴れまくるイギーの鍛え上げられた肉体は40年のときを経てもまったく衰えなし。何よりもまずこの事実に驚嘆、バンド連中はすっかり別人になってしまっているというのに。そういえば“ステージのうえで上半身裸になっていないイギー”なんて2〜3カットあったかなかったか。
もちろんイギーだけでなくバンドメンバーそれぞれにもスポットがあてられ、人生いろいろ紆余曲折だなとしみじみする。後半では彼らに影響を受けた70年代英米パンク・バンドがいくつかコマ切れに登場するが、ストゥージズに浸ったあとでは、すべてが理路整然とした音に聞こえてくるから不思議。そして近年のライブ映像に映るイギーには神々しささえ感じるほど。
カルト作品一歩手前、シアター内はふだんとはちょっと違った雰囲気の客層がメイン、けっこう年齢層に幅はあるもなぜか鳥打帽すがた多し。数列うしろにいたパンク野郎、感激のあまり場内が明るくなっても、涙にくれてずっと立ち上がれないまま。若い彼にとってもイギーはやっぱり“ゴッドファーザー・オブ・パンク”だったんでしょう。
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