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2017年09月22日15:45

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「スイス・アーミー・マン」〜僕らは生きている

いわゆる無人島ものながら、単純なサバイバルストーリーにはあらず。漂着死体との共生という度肝を抜く設定で始まるも、やがて無人島生活のリアリティはどこかに飛んで行ってしまい、そこにただようのはファンタジー感覚のみ。ほぼ二人芝居、ファンタジーといえばやっぱり彼かダニエル・ラドクリフ、そして非現実な浮遊感を演じさせたら天下一品ポール・ダノ。

無人島でサバイバル生活をおくるハンク(ポール)、彼のもとに流れ着いたのはなんと“万能死体”メニー(ダニエル)。ふたりの奇妙な共同生活が始まり、ほとんどアンドロイド状態だったメニーは徐々に人間らしさを取り戻していく。ヒトの持つ身体機能や思考能力がクローズアップされるのがこのあたり、話は下劣な匂いをまきちらしつつ徐々に非現実な方向に傾いていく。

“ダニエルズ”と名乗る同姓ふたりの共同監督長編初作品。いままでミュージックPVやCM制作に関わってきたという彼らのヴィジュアル・センスが実によくわかる独特の映像世界。とりわけ後半部分は時間・空間を無視したイメージショットがやたらと挟みこまれ、ずっと溜めこんできたアイデアをすべてぶちこみました的な、デビュー作品によくありがちの展開がつづく。

終盤にはリアルな社会もからんできて話はそれなりに収束するけれど、その直前までさんざんシュールな世界を見せつけられているこちらとしては、ストーリーをまともに追うことにやや疲れも感じているはず。とりあえず今回は共同監督名刺がわりの映像実験作、しっかりした筋立ての本格ものは次回に乞うご期待というところでしょうか。
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