◎京都の街を歩くときはできるだけジグザグに足を進める。ジグザグという言いかたは間違いか、とにかく角にくるたびに右折・左折を交互にくりかえす。碁盤の目になっている街、そして“何もないところにも何かがある”と言われる街だからこその楽しみ、こないだの土曜日も、ふと見た民家の表札に「錦織」なんていういかにも古都な苗字を見つけたから嬉しくなる。
そして交差点で信号待ち、何気なく手元のスマホでmixiのページをスクロールしていたら、ある関東にお住まいのマイミクのかたが「烏丸」の読みかたに関するつぶやきをUPされたところだった。そのとき私がたたずんでいたのはまさに四条烏丸の交差点。この偶然に思わず「おお〜っ」という声を発してしまい、ちょっとはずかしい思いをした。
◎白井良明のライブ前に腹ごしらえとばかり、ライブ会場すぐお隣のラーメン屋に飛びこんだ(ここは“紅茶ラーメン”でけっこうな有名なお店だとあとから知る)。すると店内に響くのはAMラジオからの音、しかもそれは昭和のヒット曲ばかりを流す番組だった。土曜の夕暮れ時、ベタなラーメン屋にはベタな昭和歌謡、ノスタルジックな気分を味わうにはこれ以上ない環境だ。
しばらくするとあがた森魚「赤色エレジー」が流れ、男性DJは「演奏ははちみつぱい、のちのムーンライダーズです」とまで言った。AM放送で“ムーンライダーズ”なんて言葉を聞くことなどめったにない。しかも私はまさにこのあとすぐそのバンドのギタリストのライブにお邪魔しようとしているのだ。私はまたまたこの偶然にニンマリとしてしまったのです。
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