国際宇宙ステーションに乗りこんだ飛行士6人のうちのひとり、シュウ・ムラカミを演じた真田広之がなんともカッコいい。さほど目立たずされど地味すぎず、そうそう、このスタンスこそが国際社会における日本人のあるべきすがたかもと言いたくなる絶妙の存在感。そしてそれはまさに過去いくつかの欧米作品における、俳優真田広之の立ち位置とダブってくるのだった。
ことし前半に封切られたSF映画のなかで最大の話題作といえば「メッセージ」、設定の斬新さにくらべて、あまりにも既視感にあふれていた「メッセージ」の地球外生物にくらべ、今回人類が発見し、ステーションに棲みついてしまった生命体はとてつもなくやっかいなシロモノ。まあ閉ざされた空間における人間模様などに関しては既存のSF作品の域を出るものではなかったけど。
宇宙ステーションという密室的な空間で、飛行士たちが未知の生命体によってつぎつぎと葬られていくという筋立ては、この手の作品の常套手段だとは思うけど、今回はすべて”できることならこんな死にかたはしたくないわ”と言いたくなるおぞましい命の断たれかたばかり。こんなことなら一発で殺(や)られてしまったほうがずっとマシと思える末期が続くのであった。
ラストシーンの思わぬ展開は、まちがいなく賛否両論となるだろうけど、強烈な衝撃を受けることだけはまちがいなし。そしてすぐあとに続くエンドロールに流れる音楽が、あまりにも脳天気な響きなのは監督自身による緩和剤かそれとも…。とにかく最後まで目が離せず息詰まる展開という意味においては、「メッセージ」をはるかに上回る作品であると保証します。
ログインしてコメントを確認・投稿する