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2017年05月20日15:05

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邪道か、フランクロイド永井はまだだが、ハルオロイド・ミナミが歌う「川の流れのように」

 ゴルゴ13ではないが、ハルオロイド・ミナミのプロフィールが公開されている。
  名前:ハルオロイド・ミナミ(HAL-O-ROID)
  年齢:37.3歳
  身長:173.73cm
  体重:63.73kg
  好きな食べ物:米
  好きな音楽:オールジャンル
  得意音域:A2〜E4
 373はミナミ。三波春夫というフランク永井と同時代に歌謡界で大活躍し、2002年に77歳で逝去された歌手だ。彼の声をコンピュータで解析し、音符があればそれをカラオケで再生して楽しめる。つまり、三波春夫が歌として残していない歌でも、聴きたい曲を歌わせることで雰囲気がつかめるというもの。
 三波が属したテイチクと三波の現在の事務所とカラオケのJSOUNDが、公式にエンターテインメントとして開発して行っているプロジェクト。
 フランク永井が今も健在ならどんな歌を歌い、どんな歌をカバーしていたのだろうと常に夢想している筆者には刺激的なテーマだ。確かにそれは邪道かもしれないが、世代の若い層にも名を知らしめるだけではなく、さまざまな応用が今に展開する可能性を示しているからだ。
 ハルオロイドは、「東京五輪音頭」(1963、東京五輪へむけて)を引っさげて昨年にデビュー。無償で提供されているツールを使えばだれでも、JSOUNDのカラオケに乗せて歌わせることができる。YouTubeにはファンがそのようにして作成したさまざまな曲をアップしている。

 人間の声を模すのは昔から存在で、楽しみ、技術、スパイなどさまざまな方向から興味を引いてきた。近年では夏目漱石ロボットによる声の復刻。歌手では青木隆一の美空ひばりの歌の再現。
 PCでも音声でのログインとか音声認識での発生のサンプリング。2001年の911の話題のときに実際には携帯からの電波が届かないのだがテロロストと闘うために一部の乗客が団結して「さぁやっつけよう」と話しているのが地上で友人が聞き、闘う英雄がテーマの映画にまでなった。トム・クルーズ主演の映画でもスパイが変装して誰かに化けて活躍するときに、疑似音声がコンピュータで誰もが聞き分けれれないほど精度の高いもの。
 つまり、カネをかければ特定の人の声を発生させることなど自在にできるようだ。
 ならば、なおさら、フランク永井のあの低音の。。。を。おっと、これはやはり邪道になるのかな。

 さて、三波春夫だが、最近にテレビでもよく取り上げられている。興味深く見たのはBS-TBSで放送された「三波春夫没十五年特別企画山内惠介・市川由紀乃・三山ひろしスペシャルコンサート」。テーマが三波春夫「大忠臣蔵」に挑戦とあったからだ。
 大忠臣蔵は1970年代に三波春夫が3時間に及ぶ舞台全編を自ら作詞作曲歌唱を構成したもの。彼の生涯の作品を代表するものといっていいもの。それが近年にBOXで再版された。
 昨年暮れに上記若手3人による一部がテレビで紹介されたのだが、昨年から今年の春にかけて全国で長期公演されて一段落したもの。その舞台録画映像が放送されたものだ。
 男性歌手で歌に対する真摯な姿勢を貫いた歌手の一人だ。三波の日本の歌についての研究・分析・講釈を見聞きしたことがあるが、とても他が容易に及ぶものではない。忠臣蔵についての研究も並みでない。それが舞台大忠臣蔵に結実した。
 浪曲で日本の大衆エンターテインメントを学んだ。シベリア抑留を経験したが、フランク永井の恩師吉田正と同じようにそれを直接語らない。すべてを歌の道に注ぎこんだ。浪曲で培った発声とカン所の理解はそのままいかされている。特に高音での活舌のよさは誰をも寄せ付けない。
 今回の若手3人の舞台は、大変立派にこなしきっていると思うが、やはり三波にははるかにまだ及ばない。部隊委ではところどころに三波自身のかたりがはいるが、そのメリハリの良さはよくわかる。

 このコラムで歌謡浪曲を取り上げるときに必ず触れてきたのがフランク永井のことだ。フランク永井と歌謡浪曲は基本的には直接関係はないと思える。だが、フランク永井との関係を薄くする印象が一般的なのだが、フランク永井に歌唱についての、別の側面からの強い印象を残したものは、長編歌謡を聴いた時だ。
 かつて、黛敏郎が司会をしていた当時の「題名のない音楽会」に美空ひばりも含めてさまざまなアーティストが呼ばれて出た。美空ひばりはオペラに挑戦したのだが、その見事さは、特に好きでもない筆者でもおどろいた。フランク永井の登場はあったのか不明だが、フランク永井が自身と周囲が積極的に世に印象付けてきたムード歌謡だ、低音の魅力だ、という側面により、そうではない側面の魅力が著しく隠されるか軽視されるかしてきたのだ。
 そうしたなかで、1966(S41)年に第2回目のリサイタルを開き冒頭およそ20分の長編歌謡「慕情」(作詞岩谷時子、作曲吉田正)を披露して驚かせた。同じく芸術祭参加作品なのだが1969(S44)年「旅情」(作詞橋本淳、作曲筒美京平)を出している。後者は主役をヨーロッパに派遣された記者の設定でローマや北欧滞在、場の情景と遠い日本や恋人への思いを重ねて歌うもの。この作品でもフランク永井がフランク永井でない歌唱を披露する。
 当時これら長編組曲がその世界に何らかの影響を与えるのではないかと話されもしたのだった。

 ハルオロイドから転々と話題が飛んでしまったが、そうした機会にこれらの作品を聞き直してみた次第。
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