これ以上ピタリとハマるタイトルはなし。登場人物すべてが愚か者、そしてなんともいえない後味の悪さ。う〜ん、人間というのはなんて愚かな生きものなんだろうとしばらく思いにふけってしまった。未解決の一家惨殺事件を追う週刊誌記者(妻夫木聡)、シングルマザーの妹(満島ひかり)は育児虐待の疑いで拘留中…。この設定をベースにやるせないストーリーは始まる。
主人公の取材の先には、一流大学や一流会社を舞台にしたいくつかの幼稚な男女関係が展開している。それぞれが若気の至り的というか、正直年を重ねるとどうでもよくなるような低いレベルのものばかり(あとから原作を立ち読みしたら、大学名も企業名も実名になっていたのにはびっくりした。さすがに映画ではすべて架空名、まあ推測はつくけれど)。
好き勝手にばらまかれたこのいくつかの人間模様は、物語全体のいったいどこに組みこまれていくのかと観ている側はやや不安になってくる。ところがある瞬間から話がダイナミックにつながり、ここだけはややリアリティが欠けたかなと思ったりもするが、思わぬ展開にこちらはあわてて時系列を整理したり、人間関係を再確認してしまう。
終始暗い表情の妻夫木聡はさておいて、おそらく満島ひかりのナチュラルな(というには重たいけど)演技に注目が集まると思う。ただ他の女優陣(臼田あさ美・市川由衣・松本若菜)からにじみ出たリアリティにも大いなる拍手を贈りたい。実に緻密に構成された物語だなと感服するいっぽう、現代社会における人間の妬み・嫉み・エゴ・見栄…そんなことばかり考えてしまいました。
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