遠藤周作の原作をマーティン・スコセッシ監督が映画化。17世紀、江戸幕府によるキリシタン弾圧下の長崎が舞台。主役の宣教師ふたりに「スパイダーマン」のアンドリュー・ガーフィールドと「スター・ウォーズ」のアダム・ドライバーを配するというニクいキャスティング。宗教観をめぐる異文化の衝突、最後の最後まで目の離せない実に重たく心に響く作品でした。
窪塚洋介演じるキチジローが、ストーリーの節目にくるとかならず顔を出し、陰の主役は彼なのかも。弱者なのか強者なのか、そのあいまいな部分が日本という国(あるいは日本人)の比喩とする読みかたがあふれそう。いやいやこの作品の最需要アイテム“踏み絵”をめぐるホンネとタテマエの使い分けこそが、現代日本社会との合わせ鏡と言えるかもしれない。
長崎奉行・井上筑後守を演じたイッセー尾形が、オスカー助演賞ものと話題になっていたので注目したけど、ふだんの人物描写芸の延長のような気がしてさほどでもなかった。期待の若手女優、小松奈菜ちゃんがきっちりキャスティングされていたことが興味深く、それよりなによりあのPANTAがどこかに出ていたとあとからわかり、最初から知ってたら必死で探したのにと。
ずいぶん前に読んだのですっかり忘れてしまってたけど、原作をかなり忠実に追っているということらしい。タイトル通りと言えばいいのか静寂な場面が多く、音楽が流れていた印象もほとんどない。それでも161分はあっというま、まだ1月半ばすぎながらこれ以上の重たい作品にことしは出会えるのだろうかという気持ちでいっぱいになっているところです。
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