このところドキュメンタリー作品が続いたヴィム・ヴェンダース監督、7年ぶりの長編劇映画はなんと3D作品。…というか3D/2Dを交互に上映。この巨匠がどういうぐあいに3Dを活用するのか、やっぱり興味がわくというもの。ゆくゆく3D版「ベルリン・天使の詩」なんて実現したら面白そうだし。なのでとりあえず通常料金に400円上乗せ、3Dメガネを借りることに。
雪道でクルマを走らせていた作家のトマス(ジェームズ・フランコ)はあやうくソリに乗った少年をひきそうになる。九死に一生を得たその少年を彼の家まで送り届けると、母親(シャルロット・ゲンズブール)が見せた反応は意外にも…。この母親だけでなく、以前から気まずい関係だった恋人、そして作品を手がける編集者、作家の人生には3人の女性がからんできて…。
ストーリー展開のうえで意味があるのかないのかわからないような場面やセリフがけっこう続き、さらに“○年後”と時間の経緯だけは着実、あまりにも起伏がなく淡々としていて、こちらは置いてきぼりを食らったような気分にも。ここらあたりにヴェンダース監督の敬愛する日本の巨匠たち(小津や溝口など)の作品の影響が見て取れると、強引な解釈をするひとがいるかも。
そして3D効果。正直言ってあまり意味がなかったのでは。いや3Dに挑むことによって監督が表現したかったことはわからないでもない。ただこのあたりは深読みしだしたらキリがないし…。淡々とした展開のなか、登場人物の心理を読んでいくだけでひと仕事、ここは2Dのほうをおすすめ。物語の繊細なアヤに思いをはせつつ、400円で美味しいコーヒーでも味わってください。
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