25年ぶりの「七人の侍」、ただただ素晴らしかったです。
志村喬扮する島田勘兵衛が、百姓達の頼みを聞き入れて野武士との合戦を決意するシーンは、何度観ても全身に鳥肌が立ちますね。
木賃宿でとぐろを巻いている博徒が、白い飯の入った椀を勘兵衛の前に差し出し、こう言います。
「やい、お侍。この飯はてめえらの喰い分だ。ところが、この百姓どもは何喰ってると思う? 稗喰ってるンだ。てめえらには白い飯喰わせて、自分たちは稗で我慢してるんだ。百姓にしちゃ、それが精一杯なんだ!」
それまでは散々、侍集めに奔走する百姓たちを馬鹿にし、冷やかし、あげくの果てには「オレ達ゃ百姓に生まれなくてよかったな。おめえらさっさと首括っちまえよ」などと口走った博徒の、その意外な言葉に打たれた勘兵衛は、百姓たちに向かって言うのでした。
「この飯・・・、おろそかには喰わぬぞ」
壮大な時代活劇、大アクション映画として世界映画史に名を残す本作ですが、先に記した名場面に代表されるヒューマニティ溢れる描写も忘れてはなりませんね。
力ある者、強いものは、驕ってはならない。
その力を、自らの栄達と欲望のみに使ってはならない。
力は、弱きものを守るために使え。この世の理不尽や不正義、悪徳と戦うために使え。
そうしてこそ、人の世の理は守られ、自分自身をも守れる。
「七人の侍」のテーマは、これに尽きると思います。
映画がハネた後、西荻窪のササユリカフェさんへ。
焼きたてのスコーンをいただきつつ、「『この世界の片隅に』展」を楽しませていただきました。
これを見て、改めて、あの傑作漫画が映像化されたんだなあと実感。
本編を観るのが、楽しみでなりません。
ログインしてコメントを確認・投稿する