原題が“Beatles”で邦題がコレとは究極のベタ。60年代のノルウェー・オスロ、ビートルズにあこがれる4人の男子高校生。この4人にきっちりジョン・ポール・ジョージ・リンゴのキャラが振りあてられ、甘酸っぱい青春ものとなればやっぱりポールキャラの少年が主人公に。ビートルズ楽曲のみならず全般的な音楽監督がa〜haの元メンバーとはいかにも。
男子高校生のバンド青春ものといえば、どうしてもことし封切られたばかりの「シング・ストリート」とくらべてしまう。高校男子たちに人生指南する兄貴分的存在が出てくるところなんかはまったく同じ。ただ80年代と60年代という時代の違いのせいか、それともダブリンとオスロという風土の違いのせいか、どうも今回の作品のほうが全体的に詰めが甘い気がした。
それでも4人がそろって、届いたばかりのビートルズの新譜(どの作品かは観てのお楽しみ)にレコード針を落とした瞬間の興奮や、初めて4人で本物の楽器にふれて演奏をする瞬間の喜びなどは、あの時代ならではのもの、彼らと同世代のかたにとっては共感できる部分も多いのでは。もちろん憧れの女性との甘酸っぱい思い出などもふくめて。
セリフや小道具に登場するビートルズ関連のエピソードにはそれなりにニヤリとするものがあったけど、ビートルズの音楽そのもののからめかたにはちょっと消化不良というか寸止め感。“伏線を張りすぎて回収に苦労する”とよく評論家が使うフレーズがあてはまりそうな一本でもあり。フィヨルドもしっかり目の前にひろがるオスロの四季はこのうえなく美しかったけど。
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