「高慢と偏見とゾンビ」観て来ました。
まあ、はっきり言って不出来の部類ですね。
ジェーン・オースティンの「高慢と偏見」の物語や人物相関はそのままに、人類とゾンビとの戦いというトンデモな発想をぶち込んでしまうという大胆さはお買い得。というか、私はこういうの大好き。オリジナル小説の中の面白エピソードをあらかた生かしつつ、血みどろ描写もたっぷり見せるサービス精神が嬉しいです。
でもねえ・・・、監督・脚本のバー・スティアーズという人、活劇マインドなさすぎです。
個々のアクションシーンは悪くないですが、それらが有機的に物語に融合しておらず、アクション→ドラマ→アクション→ドラマみたいな感じで単なるダンゴの串刺しにしかなってないんですよ。要するにその場その場で流れが寸断された、ブツ切れ状態。お話の流れというか段取りもぎこちなく、108分の上映時間がかなり長く感じられます。
いちばんいけないのはクライマックス。
誘拐された妹を救うため、荒廃したロンドンに潜入したヒロインのエリザベス嬢が、唯一の脱出口である橋を爆破される前に戻ってこられるか否かというタイムリミットのサスペンスがまったくないんですね。馬を駆ってゾンビの群れを蹴散らして走り抜け、愛するダーシー氏とともに生き残らんとするエリザベス嬢の勇姿をなぜもっと爽快に、そしてスリリングに見せられんのか。
あれは拍子抜けだったなあ。
「あわや、という時に意外な助っ人参上!」的なシーンもなんだかタイミングがズレてるし、この監督、アクションのセンス皆無です。
でも、つまらなくはなかったですよ。
きれいなねえちゃんたちが胸元と太ももを露わにしてバッタバッタとゾンビの群れを叩っ斬るシークエンスのカッコ良さは絶品ですし。
見た目は清楚な良家の娘が恋バナをしながら銃や剣の手入れをしてるなんて絵は、もう、素敵すぎますわ。
そうそう、ダーシー氏とエリザベス嬢が足下の土中で蠢くゾンビどもを刀で串刺しにしながら互いに愛を語り合うという世にも珍妙なラブシーン、ありゃケッサクですな。
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