マット・デイモンはあすが46歳の誕生日。さすがに超タフな「人間兵器」にもややかげりが見えたか…。たしかにこのシリーズの特徴である肉体性、つまりすべての武器を排した丸腰のファイトシーンは以前よりやや少なめ。BGMいっさいなし、そこに聞こえるのは荒々しい息づかいそして肉体がぶつかり合う音だけ…これがこのシリーズの魅力だったのですが。
それでも全編をつらぬく緊張感はハンパないもの。トータル124分中120分はハイテンション。そしてハンディカメラの多用による手ブレ続出、さらにぶつ切り編集も以前と変わらずふんだんに。なのでまちがいなくスクリーン酔い多発。そして主人公の肉体劣化をカバーするのか、ド派手なカーチェイスシーンは多めに、武器あるいは兵器というよりむしろ高度情報機器を駆使。
そう、敵対する存在が地球上のどこにいようと寸分狂わずキャッチ、あるいは対象の個人情報を一瞬のうちにプロファイル、そこにはCIAを中心とした“相互監視社会”がやたらと展開するけど、以前のアクションものならどこか遠くのSF的絵空事だったこの超高度技術も、「まあ、できないことはないわな」と簡単に思ってしまうのがこの21世紀IT社会。
たしかに“目の前のPCを駆使して何かをモノにする”なんてことは、いまや観ているこちらにとっても日常の基本的行動。今回このアクション&サスペンスシリーズは9年ぶり4作目とのこと、このシリーズが続くあいだに現実社会は虚構に追いつき、そしてジェイソン・ボーンの肉体は劣化に向かいつつあるのか…。そんなことを考えてしまった一本でした。
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