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2016年09月29日23:16

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「とと姉ちゃん」の同志

きょう放映のNHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」で、編集長の花山(唐沢寿明)が常子(高畑充希)に、「来月号の表紙」を渡すシーンがあった。

その絵は、ドラマのモデルとなっている「暮しの手帖」で実際に使われたものである。
見ながら、当時のことが思い出されて胸がつまった。

小学生時代から母親の購読していた「暮しの手帖」を読んでいたわたしは、昭和47年〜53年頃の表紙は今でも目に焼き付いている。
当時はネットは当然のことながらテレビゲームもないし、娯楽のない田舎の小学生は、学校の図書館の本や、家にある「暮しの手帖」を隅から隅まで読むのが一番の娯楽だった(当時、我が家では「チャンネル権」は父か祖父が持っていたので、あまりテレビは見せてもらえなかった。そのため、そのころ話題になっていたTVドラマをまったく見ていなかったりする)。

「とと姉ちゃん」については、大橋鎮子氏や花森安治氏という、またとない人物をモデルにしているのに、ドラマの脚本はとってつけたようなエピソードがあったりで(ヒロインの色恋沙汰を入れたり・・・まあ視聴者向けにはそれが“お約束”なのだろうが)、なんだかなあ、と正直不満たらたらで見ていたのだが、今週で最終回を迎える直前にふと、ああ、常子と花山との「同志愛」がけっこうよく描かれていたのでは、と思えるようになった。

恋人でも友人でもない、仕事を通した男女の堅い結びつき。
とかくそれは恋愛関係になってしまいがちだが、同じ目標、同じこころざしを持って、庶民の役に立つ、心に響く雑誌を作るのだ、というふたりはやはり「同志」に近い。

男女のこういう友情を描いたものは、読書量の少ないわたしが思い出せるのは、絲山秋子の「沖で待つ」ぐらいだろうか。
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