またもや実録物。2004年、CBSのプロデューサーが大統領再選をめざすジョージ・W・ブッシュの軍歴詐称疑惑をスクープ。ところがその証拠とされる文書が保守派勢力から偽造と断定され事態は一転…。この作品のもととなった自伝の著者、女性プロデューサー・メアリー役にケイト・ブランシェット。そして伝説のアンカーマン、ダン・ラザー役にはロバート・レッドフォード。
過去のどの作品よりもゴージャス感をただよわせるのはケイト・ブランシェット。こんな派手なつくりのプロデューサーおるんかいなと最初のうちは思わせるも、やがてかたくなな信念のもとに権力と闘うそのたくましさに惹かれていくから不思議なもの。とくに家族がらみのシーンでみせる喜怒哀楽にはさすがオスカー女優、やっぱり上手いなあと素直に感心してしまう。
むしろロバート・レッドフォードのほうにムリがあるという意見もあり。実際のダン・ラザーを知らないのでなんとも言えないけど、これは日本でも筑紫哲也や久米宏の役を誰がやっても違和感ありということよりも、むしろ彼はこれまで実在の人物になりきることより、作られたキャラの持つ存在感で勝負してきた名優だったからでは(しいていえば高倉健的というか)。
最初のうちは人名や組織名、役職名がけっこう飛びかい、全体像をとらえるのにちょっとひと苦労。事態が一転するあたりからグイグイとひきこまれるも、ラストにはズシリとした重さとともに、なんとも苦々しい感触が。実際この映画が公開されてからも、ことの真偽をめぐって米国では蒸しかえしがあったらしく、原題「TRUTH」がなんとも皮肉に聞こえる作品となりました。
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