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2016年06月11日16:30

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「64 ロクヨン 後編」〜格別の重厚感

前編は警察組織の人間関係を丹念に描くことに終始、たった1週間しかなかった昭和64年に起きた誘拐殺人事件の謎解きは、この後編にてのお楽しみとなるのだけど、これがまた予想以上の重厚感。ラストは原作とは異なるらしいけど、単にスケールが大きいとかダイナミックなどという言葉では飾れない、もっと苦く複雑な感触が残りました。

豪華キャスト作品の持つずっしりとした重さが効いてくるのもこの後編。とくにベテラン男優たちが見せた、鬼気迫る表情や苦悩に満ちた顔つきは見ごたえ十分。昭和の時代が起点ということを強調したかったのか、それらはやや古びたタッチの陰影を見せ、これは単に男優たちの演技力のみならず、撮影スタッフをはじめ照明・メイク担当の殊勲でもあると思います。
 
もちろん前回書いたように、佐藤浩市はこの物語の中心にそびえ立つ大きな幹。前半ではほとんど顔を見せなかった緒方直人との、クライマックスシーンに近いところで見せる壮絶なカラみには、三國連太郎と緒形拳の幻影をそこに見い出したりも。とにかく前編での展開に反発するかのように、警察外の人間たちの人生が複雑に絡みあうのがこの後編。

そこに共通するテーマは“子を思う親の気持ち”とだけ、ネタバレにならない程度にだけ言っておきます。最近の邦画は前・後編2作ものが流行り。前編で風呂敷を広げすぎて後編では収拾がつかなくなった感のある作品も往々にしてあるけれど、こと今回に関して言えば、前編でタメにタメておいたぶん後編になって一気に爆発した、そんな印象を持つ傑作だと思います。




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