5月25日の発売に続いて、今月8日にフランク永井の廃盤レコード9タイトルの復刻発売がなされた。シングルが5点、コンパクトダブルが4点。
1962:VS-664 むせび泣く渚/街に霧が降る頃
1962:VS-749 悲しき街に君ありて(松尾和子)/紫の雲の彼方に
1963:VS-953 ピンク・ムード音頭(神楽坂浮子/中矢孝子/大川さゆり)/湯の街デイト
1963:VS-1003 愛ひとすじに(三浦洸一)/若い西銀座
1964:SVC-2 霧子のタンゴ/恋の残り火/君恋し/君を愛して
1966:SV-381 昼下がりのブルース(藤本二三代)/別れのテーマ
1967:SVC-264 恋心/フランク永井ベストヒット
(恋心/ウナ・セラ・ディ・東京/赤坂の夜は更けて/おもいで)
1967:SVC-240 たそがれの渚
(たそがれの渚/月影の二人/タイニー・バブルス/真珠貝の歌)
1968:SVC-288 サン・トワ・マミー
(サン・トワ・マミー/ラスト・ダンスは私に/あいつ/夜明けの歌)
最初の盤を除くとシングルは他の歌手とのペアである。松尾和子、神楽坂浮子、三浦洸一、藤本二三代と幾度もペアを組んだ歌手たちだ。三浦洸一のはサテライト・スタジオの歌「愛ひとすじに」と当時はフランク永井が歌うような宣伝が先行していたような記憶がある(定かではないが)。
SVCシリーズの盤はEPと同じサイズに4曲を入れ、再生の回転数を33回転にゆるめて聞くもの。
初期の「霧子のタンゴ」は、フランク永井が作詞した珍しい「恋の残り火」が入っている。作曲はフランク永井の専属バンド「フランクス・ナイン」の堤達雄で寺岡真三が編曲をした曲で、この盤でしか聴けない。この盤にはさらに「君を愛して」というオリジナル曲(他のシングルやLPでは聴けない)が入っている。
「恋心」と「サン・トワ・マミー」の2枚は、おのずと知れたカバー曲だ。1960年代の半ばはフランク永井が当時人気のあった曲で、雰囲気のあった曲のカバーを開始した時期のものだ。岸洋子の「恋心」「夜明けの歌」が聴けるのがいい。岸が歌った「希望」もカバーしているが、これは別の盤に入っている。
「恋心」の盤だが、同時期、同じジャケット写真でLP(SJV-256-恋心〜フランク永井とともに)が12曲入りで発売されている。フランク永井の「上を向いて歩こう」のカバーの最初のリリースはこれに入っていた。
さらに珍しいのは「たそがれの渚」である。いうまでもなく、これらはハワイアン。「あこがれの常夏のハワイ」という言葉があった。マヒナスターズとか何々ハワイアンというグループがいくつもあって、独特の歌声を響かせていた。当時の世相を思い起こすものだ。合誦はコール・アカシヤ、亀田四郎とブルー・コーラス。
ここでは、特に「タイニー・バブルス」がお気に入り。
フランク永井が生涯属したビクターのご本家から発売された「懐かしのフランク永井」がシングル盤のA面をフル・カバーした。これとMEG-CDからの復刻が両側からなされたのが、ファンには嬉しい。ファンが聴こうにも聴けなかった廃盤は、確かにその多くは当時売れたとは限らない盤だが、フランク永井について言えば、デビューして60年、亡くなってからでも8年近くになる。今となっては、リリースされた曲は当時の人気がどうだったかにかかわらず、貴重な財産である。
実際にそうした曲を聴けば、そこに盛り込まれた気持ちというのが伝わってくる。決しておろそかに聴けるものではない。
ビクターとMEG-CDにたいして、大いに拍手を送りたい。連続の大ホームランに喝采!
写真右は1958年ごろのシングル盤のジャケット。
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