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2016年06月04日08:36

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☆洋ちゃんの読観聴 No. 1139

☆洋ちゃんの読観聴 No. 1139                  

カメラ・グレーベ&オーサ・トレフ 
「心理療法士ベリマンの孤独」                

姉妹作家によるスウェーデンのミステリー。また北欧
ミステリーかよと言われそうだが、北欧ミステリーの
質が高いのでしかたがない。

女性心理療法士シリ(35歳)が主人公の話だが、
著者の妹のほうがこの仕事に就いており、したがって
患者に接する療法士のカウンセリングや病気の特徴
などが正確かつ詳細につづられている。

シリは年上の男性と同世代の女性の療法士とともに
3人で診療所で患者に向き合っている。少しずつ経験も
増し、仕事は順調だ。

だが、彼女は1年前に夫を事故で亡くしており、精神が
不安定である。

シリの患者の一人である若い女性が殺害された。
どうやら犯人の目的は患者でなくシリにあるようだ。
シリを苦しめることで快感を得ているらしい。だが、
シリに恨みを持つ人間が思い当たらない。

シリの同僚や患者でないと知りえない情報を
犯人が持っているのだが、警察もシリも犯人に
なかなか迫れない。

同じ診療所で働くシリの同僚で親友のアイーナ、
そして捜査で知り合った刑事で恋人となるマルクス
がシリを慰めるが、それらを甘受しつつもシリは
ときに彼らを突っぱねる。

孤独な生活につらさを感じながらも、夫との思い出が
詰まった一軒家から離れられないシリ。そんな彼女の
弱さに犯人はつけこもうとする・・・。

登場人物は多くないが、誰もが犯人に見えてくると
いう優れたミステリーだ。主人公の心理状態の描写が
うまい。

久々のサスペンスの傑作。

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