この4月からのTVドラマでは主役らしいけど、いままで観てきた黒木華といえば、スクリーンの片隅で主役を引きたてているうちに、いつのまにか独特の存在感をしめしている女優といえばいいのだろうか。その彼女が、若い女性の細やかな感性を描かせたらピカイチの監督、岩井俊二による3時間長尺ものに出ずっぱりというのだからこれは興味がわいて当然。
SNSで知り合った男性とあっさり結婚したものの、やはりうまくいかず苦境におちいる七海(黒木華)。その受難からの脱出をかなえるとばかり目の前に現れたのは“なんでも屋”の男(綾野剛)。彼との出会いはやがてさらに真白(Cocco)という不思議な女性とのめぐりあいにつながり…。小説やコミックを原作としたものではなく、岩井監督の手になるまったくのオリジナル脚本。
なにひとつ悪いことをしていないのに、なぜか受難の道のりに足を踏みいれてしまう…そんなふびんな女性を黒木華は独特の浮遊感で実にうまく演じている。そして作品全編にわたってただよういい意味でのウソっぽさは、どこか夢心地な感触をこちらに運んでくる。実際に彼女がベッドの上でまどろむシーンがやたら出てくるし(タイトルの由来はここから?)。
Cocco(ひさしぶり〜やっぱり強烈な個性の持ち主)が登場してからの物語後半は、まったく別の作品であるかのような印象をあたえ、3時間という長さのせいもあって、物語初めのバタバタした展開は、ずっとずっと以前のことだったような感じにもさせる。とにかく岩井俊二と黒木華の出会いは最高の化学反応を見せてくれた、そんなふうに思った作品です。
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