おめでとう琴奨菊

初優勝おめでとう琴奨菊。待ちくたびれて10年ぶり、日本出身力士がついに天皇賜杯。出身国にこだわることにはいろいろと見解もあるだろうけど、ここは素直に喜んでおこう。つぎの土曜日には挙式が控えているという琴奨菊、しかもその日は自身32歳の誕生日だなんて、彼にとってこの1週間はおそらく人生最良の日々になるんだろうなと想像します。

初場所がおおいに盛りあがったことは嬉しいけど、なにやら日本全体が琴奨菊を応援していたような雰囲気を見るにつけ、やっぱりモンゴル出身力士たちのモチベーション低下を心配してしまいます。終盤に垣間見せた白鵬や日馬富士の消極的な相撲っぷりは、どうも全体の空気を読んでハナを持たせたような感じがしてならないんですね。

モンゴル出身力士たちに言わせれば、この10年間いろいろなこと、どちらかと言えば良くないことが多かった相撲界を支えてきたのは、いったい誰なのか、はるばる異国の地にやってきて努力を重ねてきたのに、という気持ちがあるに違いありません。いやいやそれは十分わかっているんだけど、いざとなるとやっぱり日本出身力士を応援してしまうこの矛盾した心持ち。

…などと言いつつも、幕下の優勝争いは関学出身の宇良をふくむ8力士での優勝決定戦、そしてその8力士がすべて日本出身力士だったと聞くと、やっぱり近い将来の番付模様を想像して嬉しくなったりも。そんなふうに複雑な気持ちもありつつ、琴奨菊が綱取りに、そして宇良が十両昇進に挑戦する三月大阪場所がいまから楽しみでなりません。