たぶんこれはよけいなお世話だし、そういうことを探るのはヤボだとわかってはいるけれど、このひとは今後の長い人生を、ショービジネス寄りのエンターテイナーとして成長していくのか、それともサウンド・プロダクションにこちらがいろいろとツッコミを入れたくなるような、アーティスティックな女性シンガーとしてこれから歩んで行くのか…といつも考えるんですね。
そういう意味では、今回の新作「25」は前者に向かう準備は完了という趣きの力作。熱唱につぐ熱唱。ど真ん中の豪速球ばかり。インナースリーヴのフォト群も、スタジオ録音時に熱唱する彼女の表情をとらえたものだらけ。前作のいくつかの楽曲のように、モータウンがどうの、R&Bがどうのと、こちらがつつきたくなる重箱の隅がほとんどありません。
さて、そういうある意味“力の入りすぎた”一枚を、果たしてこちらはどういうシチュエーションで聴くのがもっともふさわしいのかと思いつつ、印象に残った曲をあげると9曲目の「Million Years Ago」、アコースティック・ギターの響きが美しいシミジミ系の曲。そしてバックはピアノだけ、切々と歌いあげる10曲目「All I Ask」といったところでしょうか。
さあこうなると生の歌声にふれたくもなるけれど、来日公演のほうはどうなんでしょう。ギャラと集客のギャップ、みたいな大人の事情が立ちはだかっているような匂いが。しかしこれだけの熱唱につぐ熱唱、ライブが終わったときどっと疲れるのは、彼女よりもずっと気持ちを張りつめて聴いていたこちらだったりして。それにしても彼女まだ25歳、やっぱりスゴイです。
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